ドライバー規則
ドライバーの安全装備は、競技を安全に行うためには不可欠です。以下の詳細をよくお読みください。
また義務付けの項目は、競技会のカテゴリーにより若干異なります。詳細は各競技会の特別規則を優先いたします。
1. シートベルト
シートベルトはヘルメット同様、ドライバーの生命を守る為の大切な装備です。常にその性能が発揮できる状態に保てる様
各自が責任を持って保守管理を実行しなければならない。またセクションインする前には必ず装着状態の再確認を実行しましょう。
シートベルトは圧迫感を感じる位締めなければ本来の性能を発揮することができません。
装着後体が自由に動く状態は、決して安全で確実な装着状態とはいえません。
●シートベルトの形状
4ポイントシートベルトは、肩部ベルトと腹部ベルトが直接固定され、腹部ベルト中心部分にバックルがあるもの。
肩部分ベルトと腹部ベルトがそれぞれ独立しているもの等、数種類あります。
また肩部分のベルトを固定する形状も、後ろの固定部分が2本と1本のものがありますが、自動車専用に製造されている製品であれば
全て使用が可能です。
● シートベルトの固定方法
シートベルトを車体に固定する部分の形状が数種類あります。以下にその種類別の詳細を記載します。
(1)固定部分にボルト穴の開いたタイプ
純正シートベルトのボルトで純正位置に取り付けます。この際純正シートベルトと共締めし、共用することは可能です。
(2)固定部分がフック状のタイプ
専用の穴明きボルトを純正シートベルト取り付け部分に固定し、ボルトの穴部分にシートベルトのフック部分を固定します。
この際純正シートベルトを穴明きボルト取り付け時に共締めし、共用することは可能です。
(3)肩部分ベルトの固定
基本的には後席の純正腹部シートベルトの取り付け部分に上記方法と同様に固定します。
(4)取り付け部分を新設する場合
一部の車種において、正規の取り付け方法が困難な場合が有ります。この場合は強度的に優れた部分に、裏側に必ず当て板を使用して
取り付けること。なお取り付けボルト、ナットは必ず専用品を使用すること。
なおシートベルト取り付け部分を新設する場合は、専門の知識を有する者がおこなうことが望ましい。
● 4ポイント以上のシートベルト
4ポイントのシートベルトは下方向へ保持する部分が存在せず、身体の上下動を抑えるには効率的とはいえません。
ドライバーの足の間(又の部分)に下方向へ追加ベルトを持つ5ポイントシートベルトは、身体の固定がより確実となります。
4×4トライアルは車体の上下動が非常に激しい競技ですから、上級競技会では、身体の上下動を効率的に抑える5ポイントの
シートベルト装着を推奨します。
2. ヘルメット
車体の動きが激しい4×4トライアルでは、シートベルトを確実に固定した状態であっても、車体内装、ロールケージ等で頭部に
損傷を受ける場合が多く、転倒時は更にその危険が増加します。
事故の際の頭部損傷は死亡率が非常に高いことを考慮し、以下のことを強く義務付け及び推奨します。
● 理想的なヘルメット
四輪車及び二輪車用に製造したヘルメットの装着を義務付けます。
したがって作業用、モータースポーツ以外の競技用ヘルメットに関しては
一切認められません(いわゆる半メッチなど耳や後頭部を完全に覆われないタイプも不可)。
JIS規格2種以上、スネル規格の合格品の使用を強く推奨します。
●ヘルメットの保守
ヘルメットは2~3年を経たものは強度の低下が生ずるので、新しいものと交換することが望ましく、ヘルメットの本体に損傷がある場合は
勿論、たとえ外観に損傷が無くとも、一度でも大きな衝撃を受けたものは使用しないこと。
ヘルメットの衝撃吸収材は有機溶剤による変質が生じやすいので、塗装を加えたりする場合は十分に注意しなければならない。
3. グローブ
手首より指先まで覆うことのできるグローブを着用すること。素材は皮革製等強度的に優れ、耐火性を有する素材の製品を使用すること。
なお自動車競技用グローブの着用を強く推奨します。いわゆる軍手は不可とします。
4. 服装
●基本的服装
長袖、長ズボンは最低限の装備として義務付けますが、各自極力首より下の皮膚が露出することのない、服装を心がけること。
● 理想的な服装
耐火、耐熱性に優れ、極力皮膚の露出を抑えた競技用のドライビングスーツの着用が最も望ましく、強く推奨します。
● 不適当な服装
熱に対して極めて弱い素材。長袖、長ズボンであってもメッシュ素材等皮膚の露出が大きな服装は適当ではなく認められない。
● その他注意事項
セクションインの前には皮膚の露出を極力避ける為に、全てのボタン及びジッパーを使用し確実に保護して待機すること。
運転操作に支障をきたす恐れのある部分の処理も確実に行っておくこと。万一競技中に皮膚の露出が発生した場合は、失格を勧告されます。
4. シューズ
●競技に適したシューズ
足の動きを束縛せず、足首まで保護できるハイカットのシューズが望ましい。
● 理想的なシューズ
自動車競技用のドライビングシューズの着用が望ましい。
●不適当なシューズ
メッシュ部分が多いシューズは適当ではない。また靴底や外皮があまり厚いシューズは、足の動きを束縛し、ペダル操作に支障をきたす
恐れがあり適当ではない。長靴等も適当なシューズとはいえない。
● その他注意事項
確実なペダル操作を行える様、シューズは確実に着用すること。ひも付きのシューズの場合、余った部分でペダル操作に
支障をきたさぬ様、その処理には十分注意すること。